当店の今年の営業も今週末(12月25日・金曜日)までとなりました。
「住まいさがしのネタ」の本年最終稿として戸建・マンションの維持費について
考えてみたいと思います。
おすまいさがしの判断材料として建物別の維持費が話題になることも多いのですが、
戸建選択の理由として散見されるのが「マンションは毎月の支払いが大変だから・・」という
ものです。
果たしてその理由は正しいのか?検証していきたいと思います。
<戸建・マンションの維持費はいくらになる?知っておきたい維持費について>
戸建の購入を検討しているけど、維持費がいくらかかるのか分からない。
そんなお悩みをお持ちの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
大切なお金廻りについては事前にしっかりと把握していく必要がありますね。
戸建に維持費は必要?
維持費には大きく分けて、①税金②保険料③修繕費となります。
①税金
戸建・マンション、新築・中古に限らず、マイホームを購入した際は固定資産税というものが毎年かかります(1月1日現在所有者)。
畑や山林、倉庫などにも課せられ、不動産を所持し続けるためには毎年納付する必要があります(基本税率評価額1.4%)。
この固定資産税は市町村が課税しており、主に福祉や教育・道路整備など市の運営に使われています。
また市街化区域では別途、都市計画税が課せられます。 都市計画税とは、市街化区域内にある土地や建物に課せられる税金で、
こちらも市町村が徴収しています。 都市計画事業や土地区画整理事業など、より住みやすい街にするために使われる費用(同0.3%)です。
②保険料
加入は基本的には任意になりますが、地震や台風などの災害が多い本国においては加入をオススメいたします。
※住宅ローンの場合は融資先保証会社から、マンションの場合は管理組合から必須条件として求められるのが一般的
特に木造戸建住宅の場合は、火災保険や地震保険は必須事項です。
③修繕費
どんなに頑丈に造ったとしても住宅は年々劣化し、外壁に隙間ができたり、雨漏り等の被害が出てくることが予想されます。
修理費に1か所100万円ほどかかることもありますので、後々の必要支出として準備しておきましょう。
戸建にかかる維持費
それでは、実際にいくらほど費用がかかってくるのでしょうか。
●税金:固定資産税・都市計画税
計算式:固定資産税=課税評価額×1.4% 都市計画税=課税標準額×0.3%
土地と建物それぞれにかかります。
課税評価額は固定資産課税台帳に登録され、3年に1度見直されます。
建物の固定資産税は老朽化とともに価値も下がるため、次第に少なくなります。
固定資産税と都市計画税の支払いは、毎年4~6月に市町村から送られてる通知に納付期限が記載されています。
4分割で支払うことが一般的で、第1期~第4期の各期限までに納付します。
ただし、市町村によっては一括での支払いも可能な場合もあるため、一括納付を希望する場合は市町村のHPなどでご確認ください。
固定資産税の軽減措置
建物:新築住宅であれば、3年または5年間は床面積120㎡までの部分の税額が1/2になります。
土地:固定資産税評価額200㎡まで1/6、200㎡を超える部分は1/3に軽減されます。
:都市計画税は200㎡まで1/3、200㎡を超える部分は2/3に軽減されます。
この軽減措置を受けるにあたり、手続きなどは特に不要ですが、一定期間を超えたあとは自動的に外れます。
●保険料
保険と一口でいってもたくさんの種類があり、保険会社によってもプランは異なってきます。
手当たり次第に加入すると保険料が高くなってしまうため、住む地域や家の特徴に合わせて何を加入するのか見極めることが大切です。
本件ではよく加入されている保険を紹介いたします。
火災保険
代表的な保険の1つで、火災のほかにも風災や落雷などが対象となります。
プランのグレードを上げることで、盗難や破損など事故の範囲を広げることができます。
地震保険
火災保険のオプションとして付けることができる保険です。 地震や津波などが対象となります。
単独で加入できることは少ないプランが多いところです。
家財保険
火災保険のオプションとして付けることができる保険です。
災害や偶発的な事故などで受けた、大切な家財などの損害を補償してもらうことができます。
修繕費
周辺環境や使い方によって、劣化のスピードや修繕必要箇所は異なりますが、多いと100万円以上の修繕費がかかることがあります。
戸建住宅とマンションの維持費はどれくらい違う?
これまで戸建を中心に記載してきましたが、マンションの維持費はどうなのでしょうか?
●マンションにかかる維持費
マンションは外壁や床下のメンテナンスなどが個人では必要ない代わりに、管理費や修繕積立金というものが毎月徴収されます。
どのような使われ方をしているのでしょうか。
管理費
管理組合の運営費用や共有設備(エレベーターやごみ収集所など)の管理に使用される費用で、賃貸の場合も課せられます。
修繕積立金
新築で購入した場合は修繕積立金は安く設定されていることが多いですが、年数を重ねるごとに値上がりする場合も多いです。
もし修繕が必要となった際に積立金が不足した場合は不足分を住民で補うシステムです。
また、修繕積立金は共有部分の修繕に使用されるので、部屋のクロス交換やエアコンの修理など専有部分(室内)の修繕は個人管理になります。
駐車場代
中には駐車場代無料と謳っている物件もありますが、駐車場使用料は基本的には必要となる費用です。
平置式・自走式・立体式駐車場で使用料も異なります。一般的には所有者が加入する管理組合の収入(財産)となります。
●戸建とマンションの維持費を比較
上記のように、戸建とマンションでは必要となる維持費が異なります。 それでは実際にどのくらい差が出るのか
税金
固定資産税と都市計画税は都市によって異なりますが、大体10万円~15万円ほどです。
マンションは戸建よりも(持分)面積が小さいため安く収まることが多いですが、鉄筋コンクリートの場合は木造戸建よりも評価額は高くなります。
修繕費
戸建は必要となったタイミングで一括で支払い、マンションは積立で少しずつ支払いが必要となります。
戸建の場合はご自身で修繕ができるのであれば安く収めることができますが、マンションでの支払いは義務となります。
また、建物の劣化と共に毎月の支払い額も高くなるため長い年月で見るとマンションのほうが修繕費は高くなることが多いです。
保険料
各保険会社で10年間の火災保険料を比較すると、マンションの場合は1万6千円~2万5千円、戸建ての場合は8万円~14万円ほどの差があります。
これは、マンションは鉄筋コンクリート造りが多いことに比べ、戸建の場合は木造住宅のことが多いためです。
戸建でもRC(鉄骨)構造の場合は保険料は安くなりますが、その分建築費が高くなります。
管理費
戸建の場合は管理費はありませんが、マンションでは必要となる費用です。 毎月、1万円~2万円程度かかります。
また、中古住宅に関しては固定資産税は安くなりますが修繕費や保険料はマンション・戸建問わず高くなると認識しておきましょう。
戸建の維持費を抑えるポイント
●メンテナンスが少なくすむ素材や施工方法を選ぶ
維持費を少しでも少なくするためには、修繕費をどれだけ抑えられるかがポイントになってきます。
固定資産税を減らすことはできませんし、大切な建物に保険をかけないわけにもいきません。
長持ちするお家を建てるためにも、リフォームや注文住宅の際は施工会社に素材や施工方法の相談したほうがベターです。
●補修は早めに行う
修繕はいざするとなると、1か所あたり100万円以上かかる場合があります。
状態が悪ければその分修繕費が高くなりますので、こまめなチェックが維持費を抑えることに繋がります。
●アフターケアがしっかりした業者を選ぶ
アフターケアが充実した業者を選ぶのも維持費節約のための大切な要素です。
部位や現象により期間はことなりますが、定期的なメンテナンスが住宅を良い状態で保つためには重要です。
●簡単に補修できる部分は自分で補修する
DIYの流行により、ホームセンターや100円均一などで安価に道具や材料を手に入れることができます。
プロにお願いすると高額ですが、ご自身でやれば費用は材料費のみです! ご家族で楽しみながらチャレンジするのも良いことです。
~意外と隠れた費用が浮き出てくるものだと再認識されたのではと思います。
個人的には戸建・マンションの選択決定は
お住まいになる方のライフステージによるものが多いのではと感じています。
メンテナンスの手間の観点から、若年時(~35歳前後)でご購入の際は戸建を
それ以降ならば(管理会社・管理組合が主体となり対応する)マンション購入検討を
おススメしています。
※おこさまの成長とともに(手を離れる)後の年齢水準(約20年後)を考慮する
ところが大きいです・・。2階層のある戸建をうまく使いこなせるのか・・・。
メンテを自己責任でいつまでも続けられるのか・・・。
おすまいの購入ご検討中の方は
お家は住宅ローンだけではなく、維持費にも多くのお金が必要になってきます。
「まさか!」に備えて、無理のない資金計画を立てることが大切です。
物件購入相談のみならずリフォーム・資金計画を含めた「中古注文住宅」を実現できる
当店で是非ご相談ください。
BY 池田