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スタッフコラム

2019.04.29

定期借地権付物件(マンション)購入を考える・・・

↑ 今月当店のお客様が購入成約されたJR神領駅周辺マンション(4SLDK)

 

GW期間中ですがいかがお過ごしでしょうか?

同業大手さんは10連休するところもあるようですが、当店は連続無休でお客様のお越しをお待ちしています。

さて今回は「定期借地権付物件(マンション)購入を考える」という話題です。

 

定期借地権(定借)とは?

 

定期借地権とは、「地主から一定期間、建物の敷地となる土地を借りる権利がある」ということです。

つまり、土地の所有権を持つことはできません。建物のみの所有権となります。

一般的なマンションの定期借地権であれば、新築時に通常50年の存続期間が設定されています。

では、50年経過したらどうなるでしょうか?実は、定期借地権の場合、更地にして返還しなければなりません。

※今回は2002年10月~2063年9月 61年間となります。なお、契約更新ができる普通借地権という権利も存在します。

<定借マンションのメリット>

 

誰もが知ってるような一等地であったり、駅前に所有権タイプのマンションを買うよりも、3割程度安く購入できるということです。

単純計算で、一般的なマンションが5,000万円する場所で、定借マンションを買うと3,500万円程度ということになります。

都心や駅近一等地に住みたくても手が出せないという人にとって、お値打価格で買える魅力は大きいですね。

また、良好な場所に土地を持っている地主にとっても、所有権を手放すというのは躊躇があるでしょう。

しかし期間限定の借地であれば、資産活用もできメリットが生まれます。

良好な土地に何十年後かに必ず返還される契約だからこそ、マンションを建てることができるという側面もあります。

地主から良好な土地を提供してもらう手段であるとも言えますね。

期限付きといえど、自分の一代限りの住処として50年~70年あれば足りると考えることができれば、

良い意味では後々に相続で揉めたり、建替問題で揉めたりすることが、発生しないという考えもできます。

あまり知られていませんが、マンションを一棟建て替えるというのは本当に大変で、

まずはマンションの所有者で5分の4以上の賛成を固める必要があり、さらに築年数が古ければ所有者が高齢化していることも多く、

建替に意志が固まるともいえません。

今後、建て替えたくても建て替えられないマンションが増えるでしょう。

借地権が切れるタイミングで引っ越すことが分かっている定借マンションでは、こういった建て替え問題に頭を抱えずに済みますね。

別に土地を持っていたり、将来的には実家を継ぐために、マンションに住む期間は限られていたり、

期間限定であった方がかえって助かるという人にも向いているでしょう。

不動産を所有したいというよりも、利用したいと考える人向きということはよく言われます。

さらに、土地の固定資産税や都市計画税は毎年支払わなければなりませんが、所有権がないため、支払う必要はありません。

しかし、その分、地代に置き換わっていると言っても良いでしょう。

<定借マンションのデメリット>

 

定借マンションのデメリットとして、ランニングコストが高めになります。購入するよりもレンタルの方が高くつく原理と同じです。

分譲マンションでは、管理費・修繕積立金がかかるのはよく知られています。

定借マンションでは、 さらに地代と解体費も毎月積み立てていくことになります。 

地代は、土地については借りている立場になるので、地主に対して払うことになります。

相場は月15,000円程度と言われますが、都心の一等地では毎月数万円というマンションもあり、

購入した価格が安い分、毎月の負担はその分大きくなります。

また、地代は値上げされることが大半で、修繕積立金と同じく年を経る毎に負担が大きくなるものです。

新築時の物件概要に値上げがある旨は記載されていますが、数年置きに値上げの交渉が地主と

管理組合(マンション所有者全員加盟)とされることが一般的です。

その代わり、土地の所有権がマンション購入者側にはないので、毎年の固定資産税の土地の分は地主に課税されます。

定借マンションに住む人は、建物のみの固定資産税を払うだけ。

しかも 建物の固定資産税は建築年数が古くなると、減価償却で安くなっていきます。 

解体費は、定期借地権の期間満了のときに更地で返すために、建物を壊す費用をみんなで貯めなければなりません。

これは、定期マンションでなければ発生しない出費ですね。

一方で12~15年周期での大規模修繕工事は定借マンションといえど行いますので、

修理するための資金の積み立て(修繕積立金)と解体のための資金を積み立て(解体費用積立金)るという仕組みになります。

解体ありきでお金を貯めることや、固定資産税は建物だけ払うが、地主への地代も必要で、

日本古来のマイホームという概念とは少し違うのかもしれません。

そして他にも、購入時には権利金という200~500万円程度のお金が必要です。(今回物件は100万円強でかなり割安=土地返還時返却)

大抵は売買代金の表示の横に権利金含むという書き方がされています。

売買価格は定借マンションは確かに安くなりますが、地代も含めた総支払額で考えると、

定借マンションは一等地に建つことが多いので、それなりにコストがかかると思っていた方が良いと思います。

さらに

①ローンが組みにくい

 

金融機関によって、借地権が付いた物件の場合は住宅ローンが組めなかったり、

組めたとしても残存期間内での契約になるなど条件が付くケースがあります。

②売却はしにくい

 

定借マンションは所有権タイプのマンションと比べ、購入費用も安くなりますが、

もちろん売却の際も安く、場合によっては客がなかなかつかないこともあります。

逆の立場になってみるとよくわかりますが、買うときのメリットはいい場所に安く住める、

とりあえず自分が死ぬまでは住める契約だったのに、中古で購入するとなると、年老いた頃に借地権が切れるなんてことになるので、

土地まで所有権のあるマンションと比べたら家を売るのは難しいですよね。

定期借地権の残存期間にもよりますが、十分に期間が残っていなければ買っても長くは住めませんし、

住宅ローンの年数も長くは借りられません。

良い場所だから簡単に売れるだろう、なんて考えが通じないのが定借マンションです。

いつかは出ていかなければならないという特徴がある定借マンションでは、住まなくなったときの選択肢として、

賃貸に出して収入源にするといったような活用法が取られることがあります。

所有権にこだわらなければ、新しい形のマイホームが持てるのが定借マンションです。

 

<<どういう方が購入に向いているか>>~今回購入成約のお客様の属性を踏まえて

①ローンを組まず現金払~購入層が限られるので逆に条件交渉しやすい

②一等地を安価に購入したい~駅近が購入条件上位だったので当物件はピッタリ+4SLDK(100㎡超)築16年で1000万円台半ば!

③「土地」に執着しない~土地所有権型マンションは「土地区分所有権」はありますが

            その土地自体を(戸建土地と違い)自身都合のみで「利用」できないのである意味賢い選択です

④自身が居住しなくなっても賃貸可能物件~立地、間取次第では賃貸転用可能な物件を選択することができる

 

地価の高い東京都心ではこうした事例は珍しいことではありませんが、愛知県では該当する物件は少数です。

春日井市でも数件ありますが、「建物(部屋)」「立地」が良くても結構価格は低評価です。

ご興味のある方は当店にてお気軽にお問合せ下さい。

 

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