お盆連休も世の中は自粛ムードで閑散な雰囲気で終了しました。
「猛暑日+熱帯夜」連日のオマケがつき、巣ごもり生活の方も多かったのではと思います。
さて今回は物件購入時にも相談されることもある「オール電化」と「電気+ガス併用」
についてお話ししたいと思います。
その1>オール電化と電気+ガス併用の違い
「オール電化」とは~「オール電化」とは、文字通り「家屋内エネルギーをすべて電気で賄うこと」を指します。
電気以外の一般的なエネルギーが「ガス」であることを考えると、ガス用途熱源を電気に置き換えたものです。
今世紀(2000年頃)から始まった流れで、火を使わないクリーンで安全な住宅として広まりました。
また、別の導入メリットとて、光熱費を安く抑えられるという点もあります。
<料金イメージ>
電気料金に関しては夜間利用分が割安に設定されており、逆に昼間利用の料金が割高となっています。
夜間に蓄熱したり、湯を沸かししタンクに溜めておき日中に利用することで光熱費を安く抑えることができる、というプランです。
<エコキュート>
「オール電化」住宅では、従来のガスでお湯を沸かすガス給湯器ではなく、電気エネルギーを使う「エコキュート」を使用します。
「エコキュート」はヒートポンプの原理でお湯を沸かす給湯器を指す愛称です。正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」といいます。
※ヒートポンプとは~ヒートポンプを利用した発熱システムは、熱伝導と気圧による温度変化の原理を利用した、
少ない投入エネルギーで大きな熱エネルギーとして利用ができる省エネ技術です。
エネルギーを1投入したとして3倍~6倍もの効果が得られると言われており、エコキュート以外にもエアコンや冷蔵庫などにも利用されています。
その2>「オール電化」のメリット・デメリット
<メリット>
- ガス基本使用料を支払不要、電気料金支払のみに一本化できる
- 夜間安価電力を利用することは給湯、暖房面で節約が可能
- ガス(火)をつかわないため、一酸化炭素中毒の心配がなく、火災に対する安全性が高い
- 温水をためているため、震災時断水した場合でもタンク内の水を利用可能
- 新築住宅ではガス管引込費用が不要
- IHクッキングヒーターならフラット面でお手入れラクラク+炎上心配なし
<デメリット>
- 昼間使用時の給湯、IHを使った調理はガスに比べ割高
~電気料金プランとして、夜間使用料金が割安に設定されている代わりに昼間使用料金が割高なため - エコキュートで保温されていたお湯は飲用として推奨されていない
- ~80℃で長時間保温されているため、カルキが抜けてしまっているため
- エコキュートから引いたお湯は水圧が低くなっている
~貯水タンクを傷めないよう、水圧が抑えられており、低いと感じる方もいるようです - エコキュート設備が巨大なため設置場所が限られる
- IHクッキングヒーターでは使える調理器具が限られる
~電磁波を利用して鍋を発熱させるため、土鍋等使用できない調理器具があります - オール電化住宅をあとからガス利用に改修するには手続き・工事がの手間がかかる
その3>「オール電化」利用のおススメ条件
オール電化最大メリットである経費節約面を生かすには、夜間に安くなる電気代を使用し、
昼日中はガスに比べ割高になってしまう追加給湯・IH調理を控えることが挙げられます。
そのため、日中は仕事・学校の為不在、家庭調理や給湯をしない生活スタイルの家庭が向いています。
または夜間に給湯・調理などの活動行動をするというような家庭でも光熱費を抑えることが可能です。
エコキュートは給湯貯水タンクが大きいため導入に際して設置が可能なスペースがあることが条件です。
その4>ガス併用のメリット・デメリット
「オール電化」にガスを併用してしまっては、文字通りオール電化ではなくなりメリットが損なわれてしまうのでは、と感じますが、
上手く併用することにより互いのデメリットを補うことができる場合があります。
併用するにはどこに注意し、どのようにガス機器を導入したらよいのでしょうか?
<メリット>
・ガス併用のため、当然ガスを使った機器を使用することができる
・昼間利用時割高となる、電気での給湯・調理をガスで料金上昇を補うことができる
・将来的に電気料金が値上がりした場合にガス利用の比重を上げるなど対処ができる
<デメリット>
- 都市ガスでは割安であるが、プロパンガスでは割高となる場合が多い
- 「オール電化」⇒「ガス併用」への切り替えをする場合は契約・設備投資に手間と費用がかかる
その5>災害発生時・メンテナンスの比較
~~災害発生時
<停電時>
停電が起きると、「オール電化」住宅ではすべての家電類が使用不能です。
太陽光発電+蓄電池の設備があると安心なことはいうまでもありません。
<ガス配給停止>
過去甚大被害を出した震災の場面では、ガスよりも電気のほうが早く復旧しました。
ガスの配給は地下の配管を通っており点検・復旧工事に長期間を要するためです。
台風や大雨でガスの被害を聞くことは稀ですが、災害で一度止まってしまうと長期間使えないことが予想できます。
ガスが止まってしまうと、ガスコンロ、ガス給湯器は機能しないため、ガス使用している家庭では調理をし温かい食事をすること、
入浴等ができなくなってしまいます。
<断水時>
断水発生時、エコキュート内にお湯が貯めてあればそれを使用することができます。
機種によっても変わりますが、シャワーや蛇口から出すことはできないため、タンクにある非常用の取水口から取り出すことになります。
飲用は推奨されていません(雑菌繁殖のおそれ)が、トイレや洗面用など生活用水に活用できます。
~~メンテナンス
<エコキュート>
エコキュート交換目安は一般的に10年~15年です。
定期メンテナンスを行っていない場合、標準より寿命が短くなってしまう場合がありますので注意が必要です。
<ガス給湯器>
各メーカーで指定されている設計標準仕様期間は10年とされています。
※屋内・屋外・機器使用頻度により差は大きいようです・・。
期間を過ぎてしまうと、突然の故障などが懸念されます。
<IHクッキングヒーター>
日頃のお手入れは、フラットガラス天板なのででとっても楽々行えます。
購入から3~5年で不調が現れた場合は修理を検討しましょう。8~10年が交換の目安です。
<ガスコンロ>
日頃のお手入れは五徳やバーナー部分の汚れもきれいにしなくてはならないため、手間がかかります。
ガスコンロの汚れが不具合につながることもあるため清潔に保つことが重要です。
ガスコンロの寿命は10年といわれています。古いガスコンロを使用していると、ガスホースの劣化でガス漏れが起こることもあります。
定期定期なメンテナンスが必要です。
その6>まとめ
いままで比較としておはなしさせて頂きましたが、当方の感覚的に話をすれば
「エコキュート」+「太陽光発電」+「蓄電池」システムが完璧仕様です・・。
もちろんそれには旧来型(ガス+電気併用)に比べ相当の初期費用が必要となります。
予算面やそれまでの使用期間(使用品交換必要時期)を総合的に判断して、
一部または全部を採用して頂ければと思います。
当店ではリフォームの際こうした取り扱いもアドバイス差し上げております。